昨年、凶弾に倒れた元総理大臣の安倍晋三さん。
その政策には賛否があり、これからの歴史がそれを評価していくのでしょうが、個人的には好きな方でした。安倍さんが総理大臣をされてる間、自分の生活が良い方向に向かっていると感じたから。まぁ、単純な理由です。
その安倍さんが「自らの総理大臣時代を振り返る」本書を、1ヶ月くらいかけてようやく読破できました。
総理大臣と一会社の一組織の長。
レベルは天と地ほど違うけど、同じ組織(国)を預かる「リーダー」として、勉強になる部分が多々ありましたので、その辺りを書き連ねます。
リーダーには信念が必要
リーダーの立場になった時、一体何を成し遂げたいのか。
これが明確でないと、リーダーに就いて仕事をしていく中で、心が折れてしまう場面に多々遭遇するでしょうし、実際「辞めちゃう」かもしれない。
だって、ものすごい「批判」に晒されるから。
大多数の人が賛成するような取組みであっても、一定数の反対派はいます。そんな彼ら・彼女らから、
「なんでそんなことをするんだ」
「⚫️⚫️さんは何もわかっていない」
「誰だ、⚫️⚫️をリーダーに据えたのは」
的な批判を受けた時、果たして持ち堪えられるか?
その分かれ道になるのは、「リーダーになって、成し遂げたいことがある」か否かだと考えます。
また、孤独にも耐えないといけない。決断権は自分にある。いくら部下の皆さんから、
「これ、やった方がいいです」
「求められている取り組みです」
と上申されたところで、やるかやらないか、最後に決めるのはリーダーである自分。その結果の責任は、自分が負わないといけない。
その部分は誰も助けてくれないし、分担もしてくれない。
この本を読んでて、安倍さんはこの辺りの「覚悟」や、ある意味での「開き直り」のようなものがおありになったようです。
自分も小さな会社の「一組織」を任されています。↑に書いたような「部下からの批判」「孤独」を嫌でも実感する機会が多々あります。でも、これはリーダーの宿命。
今自分に求められているのは、「組織を良い方向に持っていく」という確固たる信念を持てるかどうか。
身が引き締まりました。
周りへの気配り
仕事は1人では出来ません。まして、国を動かす仕事って、とんでもない人数がリーダーの方を向きながら、その考えを理解して、職務を遂行しないと、とてもじゃないけど安倍さんだけでは無理。
その意味で、安倍さんは、特に第二次内閣の時に周囲への気配りを重視されていたようです。それは、第一次内閣の時に、ご自身の「思い」に従って突き進んだものの、上手くいかなかったご経験を踏まえてのことらしいです。
何かを始める時の根回しや、人事面での処遇を条件にした関係者との合意等。
今の人からすると「昭和やな」と思うかもしれませんが、大昔から人の本質は変わってなくて、
「人は、相手から大切に扱われたら、その相手を助けてあげようと思う生き物」
と言うことを念頭に仕事をすると、結局誰しも同じやり方に帰着するのではないでしょうか。
正直、僕も誤解してました。
安倍さんは、自らの信念に基づいて、ゴリゴリ政策を推し進めていたのではないか、と思ってました。もちろん、そういう部分もなくはないようですが、やはり、周りの協力があって、初めて大きな仕事ができる。
「自分の信念」とのバランスはもちろん大事ですが、周囲への配慮を忘れず、時には他者を立てるような配慮をすることが、自分のやりたいことを円滑に進める近道のようです。
肝に銘じます。
ビジョンを掲げる
「美しい国、日本」
「自由で開かれたインド太平洋」
いずれも、安倍さんが総理在任中に掲げた、「日本」「世界」のあるべき姿、すなわちビジョンです。
リーダーの最も重要な役割って、部下の仕事を細かく管理することではなくて、「ビジョン=組織が進むべき方向」を示すことじゃないかと考えます。
その意味で、安倍さんは真のリーダーなんだと思います。
一方、自分は・・・ちょっと前に部下との面談で、
「KoTaさんがうちの組織をどうしたいのか、全く見えないです」
とえらい厳しい指摘をもらいました😭。凹みましたねぇ・・・リーダーとは言えません。
もっと言うと、正直なところ、自分は「リーダータイプ」ではない。部下との面談の時にも思ったし、本書を読んでて、改めて確信してます。どちらかと言うと、「参謀タイプ」。取り組むべき施策を考え、リーダーに上申し、組織を思う方向に進めていきたい。そんな感じ。
完全には責任を負わずに、組織を思う方向に持っていく。
これ、せこいですかね😅
一国のリーダーと中小企業の管理職。レベルは違いすぎますが、勉強になりました。
頑張ろ・・・。
それでほ、また次回お会いしましょう!
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