本日は標題の書籍の書評をば。
突然ですが、FIREという言葉が流行り出してから、数年が経ちましたでしょうか。最近は、「卒FIRE」みたいな言葉も出始め、ブームが一巡した印象もなくはないですが、ちょっと読んでみました。
全般的な感想としては、個別の投資手法や銘柄選定のやり方などの「テクニカルなパート」よりも、
- なぜFIREを目指すのか
- FIREまでの道のりで何を考え、心掛けたのか
- FIRE達成の先に何を見据えているのか
といった、「考え方」や「生き方」の部分に感銘を受けました。
本日も、書籍の目次タイトルの打ち特に印象に残っている項目に関して、私が感じたこと、考えたことを記します。
経済的自由を達成した先に、夢や目標があるか
まさに生き方の部分。
私も含めた多くの人は、可処分時間の大部分を労働に捧げますが、それは「仕事を通じて生活に必要なお金を稼ぐ必要があるから」ですよね。少なくとも、私はそうです。
「生きるために仕事をしている」にも関わらず、時間のほとんどをその手段に侵されている。それ自体の是非は置いといて、多くの人は、日々の時間の過ごし方について、いちいち考える必要はありません。
一方、FIREと言うのは、生活費を稼ぐために仕事をする必要がなくなるということ。
いやいや、素敵なことじゃないですか。
その通り。ただ、よく考えると、これって、膨大な時間を過ごす手段(=仕事)を失っている状態と言えますよね。
「いやいや、俺には仕事以外にも山ほどやることがあるねん。」
そう言う人は、心配いりません。一方で、「生きる目的なんて考えたことなかった」なんて人は、途方に暮れる可能性があります。
「毎日、自分はなんのために生きてるんだろう?ただ、膨らませた資産に毎日買わせてもらっているだけやん。なんじゃこりゃ?」
なんてことを考え出すと、危ないかもしれません。
FIREというのは、「生きる意味、目的」なんていう、ある種哲学的な問題に真正面から向き合わざるを得なくなる、そう言う生き方かもしれません。この点、FIREを目指すのであれば、達成前から考えておく必要がありますね。
資産形成の基礎は、支出の最適化(節約)にあり
筆者は「節約」のことを「支出の最適化」と言う言葉で表現しています。うまい❗️感心させられました。
よく「日本は金融教育が足りない」みたいな話があり、その文脈で投資教育の必要性が叫ばれますが、個人的には、お金の教育の第一歩は「お金の使い方から」なんじゃないかなと思っています。
なんでも好きなだけ買える収入・資産があれば、お金の使い方なんて意識する必要はないのかもしれません(それでも必要だと個人的には思います)。
一方、そうではない世の中の大多数の人にとって、お金の使い方の工夫が生活の質、余裕度にものすごい影響します。上手なお金の使い方って、
「①買った物・サービスから受ける価値」−「②それを得るために払ったお金」
を最大にできることだと思います。ただ、これだと、②がいくら大きくても、①−②が大きければ何でもオッケー👌となってしまいます。なので、支出の最適化って、
- 日々の生活を満足して送るために必要な最小限の①を見つける
- そのために必要な②を下げるための努力を惜しまない
をセットで取り組むことじゃないかと考えます。①は単純に金額が低ければいいってもんじゃない。これが難しいんですよね👅QOLってやつです。
資産形成は目的ではなく手段
最初の項目に通じる部分もありますが、お金さえ手に入れば万事オッケー👌じゃないんです。
そもそも、
- ①人生でやりたいことがある
- ②そのためには、「生きていくために仕事をする」時間を最小化したい(できれば無くしたい)
- ③そのために資産形成する(あわよくばFIRE)
という考え方の順番だと思うんです。
すごくよくわかるのですが・・・残高が増えていく証券口座を見るのって楽しいんですよね😜ただ、日々そんなことをしていると、資産形成が単なる「お金を増やすゲーム」と錯覚する可能性が大いにあります。ですので、普段から、「自分はなぜ資産形成するのか?」「膨らませたお金を使って、自分は何がしたいのか?」を自問しないといけないですね。
以上、私の感想でした。途中のテクニカルな部分を飛ばして読むと、通勤時間✖️3日間くらいでサクッと読めちゃいました。お勧めです。
それでは、また次回お会いしましょう!
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