最近、良く考えます。
『日本において、高学歴は幸せなのか?』
『高い学歴を目指すべきなのか?』
と。
僕のキャリア
僕は、日本で言うとそれなりの順位に位置する大学・大学院で学位を得ています。
理系の学問を専攻していたのですが、大学・大学院には著名な教授の方もいらっしゃるし、周りの同級生・先輩・後輩も優秀な方ばかりで、相応に自尊心を満たしてくれる学歴を得られたと思っていました。
遡って、なぜその大学を目指したのかと言うと、一つは『いい職業に就きたいから』でした。
中学生の頃から進路は意識してましたが、僕が思う『いい職業』というのは、いわゆる『大企業』で、かつ『お給料が良い会社』でした。今でもその認識はそこまでブレてません。
大学を卒業し、大学院の修士課程まで修了して、僕は当初の目論見通り、一部上場企業(現在のプライム市場上場企業)に『総合職』として入社しました。当時、僕の会社の総合職は人数が限られており(現在は、当時の2〜3倍の人数を新卒採用)、『幹部候補生』と言う触れ込みでした。自分で言うのもアレですが、世間的には『エリート』の部類に入ると(勝手に)思っています。
入社以降は、紆余曲折もありながら自分なりに全力を尽くし、社内でも多分少しは評価されて管理職までやって来ました(→これが現在地)。
さて、今思うに、果たしてこのキャリアは僕にとって幸せだったのか?
今のところ、僕の答えは『7割イエス、3割ノー』と言ったところです。
7割イエス、3割ノー
まず、仕事のやりがい。
それなりにあります。特に管理職、あるいはその一歩手前の立場になったあたりから、それなりに裁量も持たせてもらい(上司にも恵まれました)、自分が『これをやるべき』と感じた課題に取り組んでこられたことは、良い財産となりました。
お給料。
これまた当初の目論見通り、それなりにもらえてます。僕の家庭は、妻が専業主婦でして、僕の収入のみでやりくりしてますが、別にお金に困ることはないし、ささやかながら毎月資産運用に回す余裕資金も捻出できています。全然不満はありません。
その他にも、仕事を通じて色んな人と出会えたし、これも自分の財産になっています。
ここまでが『7割イエス』のお話。
では、『3割ノー』とは?
一つは、これまたお給料(この場合、収入という言葉が適切)。
以前にも書きましたが、2年ほど前に『真剣にゴルフをやろう』と思い、とあるコースの会員権を買ったのですが、そこで出会う人たちは、僕がこれまでの会社人生で出会ってきた人たちとは「全く違う種別の人たち」でした。みんな自分のビジネス(会社)を持っていて、会社員(サラリーマン)では想像もつかないような収入を得ています。乗っている車は国産高級車など少なく、ほとんど外車です。別に外車を羨んでいるということはないですが、それでも愕然としたのは覚えています。
『あぁ、会社員って収入が少ないんや』
とえらく実感したものでした。
もう一つが、専門性がないと言うこと。もっと言えば、『自分は何者でもない』の方が正確なニュアンスかも知れません。
昨今、社会保険料の値上げが叫ばれています。僕はそれなりに『高所得』の部類に入るはずなので、下手すると値上げにより年間数万円の負担増を強いられる可能性があります。
はっきり言って、嫌です。
では何ができるか?
はい、何も出来ません、お手上げです。
巷では良く『それなら独立すればいい』という論調を目にしますが、いわゆる「総合職」というゼネラリストのキャリアを積んできた僕に、独立を後押しするレベルのどんなスキルが備わっているのでしょうか?教えて欲しい😭
今のキャリアでは、この『無力感』が半端ではないのです。
ここまではキャリアの話ですが、このキャリアを選択したことと、僕が『高学歴』であることは当然関係していると思ってます。
従順なロボット
日本では四年制大学卒の『高学歴』は、医者や弁護士などの専門職を目指す人を除くと、卒業と同時に『優良企業(と言われる会社)』の数少ない社員の椅子を我先と争います。そのようなポジションを目指すことをある種「当然」と考えている節もあります。実際、僕がそうでした。
ただ、今から考えると、会社員って、社長だろうが部長だろうがヒラだろうが、所詮は『雇われの身』でしかありません。その裏には株主がいて、その株主(➕社会)に貢献するために身を粉にして働く『ロボット』なんです。
ロボットは『従順』な方がいい。これは株主目線でも、顧客目線でも、先ほどの話から『国』からしてもです。僕が思うに、日本で『高学歴を得る』と言うのは、↑の通り『従順なロボットになる』ことと同義じゃないですかね。
『高学歴を獲得していく過程』と言うのは、どんどん型にハマり『従順になっていく過程』に思えて仕方ありません。
世の中、高学歴で『従順なロボットではない』方もいるでしょう。けど、学生時代も含め、僕の肌感では、その割合は相当低い。
大変後ろ向きですが、そんなことを考えていると、自分も含め、高学歴の人って『つまらない人間』に思えて来ます。
先述の通り、僕は自分のキャリア(学歴含む)に『7割』は満足しています。ただ、自分の子どもたちには残りの『3割』の話もして、後悔しないキャリア選択が出来るよう、サポートしてあげたいと思います。
かく言う僕も、老け込んで諦めるにはまだ若すぎるので、良く考えたいと思います。
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